肌老化の原因には、持って生まれた肌の性質や環境要因などさまざまですが、肌が老化する主な要因は大きく分けて5つあります。
これら5つの要因と対策について説明いたします。
紫外線=光老化が肌老化を早める主な原因だと考えられています。紫外線は365日、照射され私たちの肌にダメージを与えます。いつも衣服に覆われているお尻などの肌は若い人もそうでない人もさほど変わらないことからも、いかに紫外線ダメージが大きのかが分かりますね。
【UV-A】・・・シワをつくる
紫外線UV-Aは、曇りの日でも、室内にいても肌にダメージを与えます。知らず知らずのうちに光老化を早め、最も注意が必要です。UV-Aは肌の奥の真皮まで到達し、肌のハリと弾力をキープするコラーゲン繊維はダメージを受けてしまいます。
さらに、コラーゲンやエラスチンを作る繊維芽細胞を傷つけコラーゲンやエラスチンを作り出す力を衰えさせ、肌の免疫力も低下させます。
【UV-B】・・・シミをつくる
紫外線UV-Bは、ガラスなどで遮断が可能です。日焼けやシミ、皮膚ガンの原因になります。 UV-Bは真皮層までは届きませんが、そのダメージから真皮層を守ろうとメラニン細胞が活発になりメラニンをたくさん作り出します。黒いメラニンで紫外線をブロックしてくれてるのですが、その結果、シミやソバカス、日焼けになるわけです。
一度浴びた紫外線は消すことはできず蓄積されていきます。お肌の老化は加齢よりも光老化のほうがはるかに大きいということが分かっています。
紫外線による肌老化を予防するには、1年中とにかく日焼け対策をすることに尽きます。 普段通勤や街中で買い物をする程度であれば、SPF20程度で十分です。日差しが強い中でのレジャーなど長時間外にいる場合でSPF30程度をおすすめします。
SPFが高くなる分肌への刺激も強くなりますし、数値よりも塗り方のほうが重要になってきます。
紫外線を浴びる前後には、ビタミンCをたっぷり取ることと、浴びてしまったらとにかく刺激を与えず保湿パックなどでたっぷりと潤いを与えてあげましょう。
「肌がサビる」という言葉を1度は耳にしたことがあるかと思います。私たちの肌も、鉄などと同じように徐々にサビついていきます。呼吸によって体内に取り込まれる酸素はエネルギーとして使われますが、使い切れずに残ったものが活性酸素に変化することがあります。過剰な活性酸素は身体にダメージを与え、内臓機能の低下や最終的には癌という、老化や病気になる可能性を高めます。
活性酸素は、お肌にも悪影響を及ぼします。活性酸素は肌細胞を弱らせます。皮膚の弾力を保つコラーゲンを破壊するので、固く弾力のないお肌やシワを作ってしまうのです。
紫外線を浴びることでも活性酸素を大量に発生させます。活性酸素に刺激された表皮のメラノサイトを攻撃すると、メラニンが増えシミの原因となります。
活性酸素は紫外線、タバコ、睡眠不足、車の排気ガス、脂質の多い食事、アルコール、ストレスなどからも大量に発生します。体に良いとされる運動もやりすぎると活性酸素を大量に発生させてしまいます。
年を重ねるごとに抗酸化力は弱っていきます。お肌のサビつきを防ぐには、積極的な「抗酸化」が重要です。 タバコやアルコールなどを身体へのダメージをできるだけ避け、毎日の食事で抗酸化力を持った栄養を摂り、内側から抗酸化力を高めていくことが大切です。
肌のお手入れには、活性酸素の消去を促してくれる化粧品もありますから、上手に取り入れてサビにくい肌を目指しましょう。
抗酸化力の高い食材をご紹介します。ぜひ、毎日の食生活に取り入れてくださいね。
抗酸化作用のある食べ物はビタミンC、ビタミンE、ベータカロテンが豊富なものに多く含まれています。
■ ビタミン
・ビタミンC・・・いちご、柑橘系くだもの、ジャガイモ
・ビタミンE・・・アボカド、ブロッコリー、ナッツ類
・ベータカロテン・・・かぼちゃ、人参、ピーマンなどの緑黄色野菜
■ ミネラル
・亜鉛・・・牡蠣、レバー
■ フィトケミカル
・リコピン…トマト、スイカ
・ポリフェノール・・・ワイン、ベリー類、バナナ、カカオ、蕎麦
・カテキン・・・緑茶
・イソフラボン・・・大豆
糖化とは、私たちの体内にあるタンパク質と食事によって摂取し余った糖が結びつくことです。
肌が糖化するとコラーゲン繊維の弾力やハリがなくなり、たるみやシワの原因に。また肌を黄ばませてしまうことから、黄ぐすみ、くすみを起こします。他にも、肌のターンオーバを低下させ、ゴワつき、乾燥を引き起こしてしまいます。
怖いのは、肌老化だけでなく糖尿病、白内障、アルツハイマーなどあらゆる病気を引き起こす原因にもなることです。糖化は一度起こると元には戻せません。予防が大変重要になります。
~糖老化予防で美肌をキープ~
■ 糖分を摂り過ぎない
甘いものや炭水化物の摂取は控える。清涼飲料水、缶コーヒー⇒水やお茶に変える。おやつは新鮮なフルーツ、ドライフルーツやさつまいもなどがおすすめ。
■ 食べる順番を気をつける
糖化を防ぐには、血糖値を上げないこともポイント。食事の時は野菜や小鉢から食べること。酸味のある酢の物やレモンも糖の吸収を遅らせてくれのでオススメです。食物繊維も糖の吸収を抑える効果があります。
■ 黒い食材へチェンジ
白砂糖、白米、菓子パンなど精製された食品は、体内に入ると一気に血糖値を上げてしまいます。玄米や黒糖、全粒紛パン等へチェンジさせるのも一つの手です。
■ 適度な運動を
なるべく階段を使う、歩いて移動するなどできるだけ体を動かして、余分な糖分は代謝してしまいましょう。
■ 質の良い睡眠をとる
睡眠不足が続くと、肌に溜まった糖化最終産物(AGEs)が排泄されません。
シワ、たるみ、毛穴などあらゆる肌悩みの要因ともなる乾燥。肌の乾燥は加齢によって影響を受け、肌の水分量は減少していきます。
乾燥の一番の原因は、肌表面にある角質層の保水力の低下です。角質層で水分を保つために重要な役割を持っているのが、「細胞間脂質」。
細胞間脂質は角質層の細胞と細胞を埋め、潤いを保っています。その細胞間脂質が減少し細胞の隙間から水分が蒸発してしまうことで乾燥を引き起こします。
乾燥対策には、細胞間脂質を補うスキンケアが必要です。細胞間脂質の主成分であるセラミド入りの化粧品がオススメ。お肌の水分をキープする天然保湿因子NMFを補うのも大切。NMFの主成分はアミノ酸。アミノ酸配合のスキンケアも合わせて行うことが乾燥対策にはよいでしょう。
汗や水分と皮脂が混ざり合って作られる「天然の保湿クリーム」。20歳を過ぎると女性ホルモン減少の影響で、必要な皮脂が減っていき、天然のクリームが作られなくなり乾燥につながります。 天然の保湿クリームを守るために保湿クリーム等で補うことも大切ですが、まずは洗い過ぎないことです。
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若々しい肌を保つために欠かせないのがホルモンです。
女性ホルモンや成長ホルモンはコラーゲンを生成する作用がありますが、減少すると新陳代謝が悪くなり、コラーゲンやエラスチンを作り出す力も衰え表皮も薄くなっていきます。
年齢を重ねると皮膚は薄くなり、50代に入ると薄くなる速度が早まります。その結果、若々しくふっくらとしたやわらかさが失われていきます。
ホルモン不足による肌老化を予防するには、しっかりと睡眠を取ることが大切です。運動も成長ホルモンを促すのに役立ちます。眠る前に、軽い体操やストレッチをするのもいいでしょう。
食事バランスも大切です。大豆には女性ホルモン様成分が含まれています。アミノ酸の一種、アルギニンは成長ホルモンを促すために必要な成分です。ナッツ類や大豆、ゴマなどに多く含まれています。亜鉛やマグネシウムなどミネラルと一緒に摂ると吸収されやすくなります。